睡眠時無呼吸とは
睡眠時無呼吸症候群とは、睡眠中に一時的に呼吸が止まったり浅くなったりすることが原因で、眠りが浅くなり日中に過度の眠気が生じたり、高血圧や心臓病など様々な病気が生じやすくなったりする状態です。
睡眠時無呼吸には、鼻やのどの気道が狭いため睡眠中に呼吸障害が生じる閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)と、もともと脳や心臓に病気のある高齢の方などで呼吸中枢の異常によって生じる中枢性睡眠時無呼吸とがあります。一般的にはOSAがほとんどですので、以下はOSAについて説明します。
OSAの方は非常に多いと考えられています。比較的症状のはっきりしている方に限った予測(無呼吸低呼吸指数AHI:15回/時間以上)でも、50代女性で10%弱、男性では10-20%程度、全国では14%(940万人)、異常とされるAHI5回/時間以上は、全国で32.7%(2200万人)、と推定されています。また、高血圧の方の59%、糖尿病の方の86%、心不全の方の70%程度にOSA(AHI≧5)が合併していると言われています。
OSAの診断
いびき、夜中に何度も目が覚める、日中に眠気や頭痛が強い、などの症状のある方や、肥満、糖尿病、高血圧症などのOSAを合併しやすい病気の方では、OSAの可能性を考えて検査を行います。
最初に行うのは、ご自宅で夜、指に酸素飽和度を測定する小さな機械をつけていただき、睡眠中に体内の酸素濃度が低下するような無呼吸が生じていないかを調べる検査です。
この検査で異常が疑われれば、次に病院に1泊し(夕方入院、早朝退院)、睡眠中の呼吸や睡眠を調べる機器をいくつか装着し、診断を確定します。(検査写真:準備中)
OSAの治療
マウスピースで気道を広げる方法(OA)と、呼吸を補助する器具(CPAP)を使用する方法があります。(写真:準備中)
鼻やのどに病気がある方は耳鼻咽喉科での治療、高度肥満で気道が狭くなっている方は減量、などの対策も同時に行っていきます。
参考文献:睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診療ガイドライン2020 日本呼吸器学会