病院長 藤井 健一郎
2019年より院長を務めております藤井でございます。皆様には日頃より大変お世話になっており、心より感謝申し上げます。
日本海員掖済会は,今から140年以上前の1880(明治13)年,当時厳しく劣悪であった船員の職場環境,生活習慣を是正する目的で発足しました.医療も当初は船員とその家族を対象としておりましたが,現在は一般市民もかわりなく診療を行っております.門司掖済会病院は1902年の門司出張所創設から120年,1921年に現在地の清滝に移ってから100年を越えております.なお,日本海員掖済会は2020年4月1日付けで内閣府より公益認定がなされ,組織が一般社団法人より公益社団法人へと移行しております。
当院では,透析を含めた腎疾患の評価や治療,消化器疾患,糖尿病や高血圧症等の生活習慣病対応など、内科診療の比率が高いのですが、外科を中心とした癌治療,そのほかにも婦人科,耳鼻咽喉科,皮膚科,麻酔科,放射線科,歯科・口腔外科で常勤医師による対応を行ってまいりました.一般総合病院として診療科の充実は当院のここ数年の課題でした。幸い、2022年4月には循環器科、この2023年4月には整形外科、泌尿器科の専門医がそれぞれ1名ずつですが常勤として赴任し、より幅広い疾患の患者様への対応が可能となりました。引き続き医師の確保には努力してまいります。
65歳以上の高齢化率は門司港地区では40%を超えたと言われており、これは日本全体の予測では2040年頃のほぼピークの値に相当し,既に高齢者の減少も始まっていると推測されます.このような状況では,病院は病を治すのはもちろんですが,一人一人の皆様が出来るだけ長くご自宅など住み慣れた地域で,そのヒトらしく暮らしていけますよう支えていく必要があると強く感じております.このためには待つだけではなく、地域に入っていく必要もありましょうし、また地域の住民全体をかかりつけとして幅広くとらえた受入を実践していきたいと考えております。
新型コロナは5類となり、当院でも面会等は再開しておりますが、感染対策を大幅に緩めるわけにはいかず、受診あるいは来訪者の皆様には窮屈に感じられることもあると思います。このような中でも地域の住民の皆様や医療機関との信頼を深め、さらにお役に立てますよう、職員一同頑張ってまいりたいと考えております.どうぞよろしくお願い申し上げます。